
2026年4月29日放送のフジテレビ「ホンマでっか!? TV」に、インテリアコーディネーターとして出演させていただきました。
今回のテーマは、「健康は家で決まる!カラダに良い家SP」。
住まいの環境が、私たちの心や身体にどのような影響を与えるのか。さまざまな分野の専門家が、それぞれの視点から解説する放送回でした。
テレビ収録という初めての経験に緊張はありましたが、放送後には「見たよ!」「とても良かった」と、想像以上に多くの方からご連絡をいただきました。
お問い合わせやご相談にもつながり、改めてメディアを通して専門的な情報を届けることの影響力を感じています。
この記事では、出演に至った経緯や収録の裏側、番組でお話しした内容、そして今回の経験を通じて改めて確信した、インテリアの役割についてお伝えします。

(画像提供:フジテレビ)
出演のきっかけは、2年前に書いた専門記事
今回の出演は、番組のディレクターの方が、放送テーマに合う専門家を探していたことから始まりました。
その過程で見つけてくださったのが、私が約2年前にホームページへ掲載した「インテリアで健康になる?」という記事です。
この記事では、カーペットとハウスダストの関係をはじめ、住環境が心身の健康に与える影響について紹介していました。
私は大学で心理学を学んだのち、インテリアの実務に携わるようになってからも、
「空間が人の感情にどう影響するのか」
「家具配置や動線が、ひとの行動をどう変えるのか」
「住まいが家族関係にどのように作用するのか」
といったテーマに関心を持ち、学びと実践を重ねてきました。
新たに空間デザイン心理学®が開発されるとすぐに受講し、2年をかけて最上級のプロ資格を取得しています。
今回の放送には、この空間デザイン心理学®の創設者である高原美由紀先生も出演され、空間が心理や行動に与える影響についてを担当されました。
そのため、私は今回「空間デザイン心理士」ではなく、長年インテリアの現場に携わってきた「インテリアコーディネーター」として出演しました。
(番組では「大阪のインテリア番長」というキャッチフレーズをつけて頂きました‼(笑))
今回、高原先生とわたしで、それぞれ異なる専門的な立場から、住まいと人との関係を伝える機会になったことを、とても意義深く感じています。
▶出演のきっかけになった記事はこちら→「健康になれるインテリアとは?インテリアが心身に与える影響とそのポイントを解説」
▶空間デザイン心理学®についてはこちら→空間デザイン心理学協会HP
インテリアが人生に果たす役割
インテリアコーディネーターというと、家具やカーテンを選び、部屋を美しく整える仕事だと思われることがあります。
もちろん、美しくすることは当然です。
けれど、インテリアの役割はもっと深いところにあります。
つまり、その人がどのような生活を送り、何にストレスを感じ、これからどのような毎日を過ごしたいのか。ひいては、どんな人生にしたいのか。
それを引き出したうえで、家族構成や身体の状態、生活動線、光の入り方、視線の向き、物の配置までを読み取り、空間をその人にふさわしい状態へ整える。
インテリアとは、暮らす人の心身の状態や行動、家族との時間を支える、生活の基盤づくりです。
家に帰ったとき、ホッと気持ちが緩む。
必要なものに無理なく手が届き、家事がスムーズに進む。
家族が自然と集まり、会話が生まれたり、会話がなくても心地いい距離でいられる。
クッションやブランケットの柔らかさにくつろぐ。
夜には照明が穏やかに切り替わり、眠りに向けて心身を整えられる。
こうした日常の積み重ねが、その人の暮らしの質をつくります。
2年前の記事が番組制作の方の目に留まったことは、私にとって、自分の知識を言葉にして伝える大切さを、改めて実感する出来事となりました。

収録までの準備
出演のお話をいただいた後、ディレクターさんから「番組で紹介できる情報を他にも提供してほしい」とのご依頼がありました。
そこで、インテリアと健康に関する複数のテーマをお送りし、他の専門家の先生方が扱われる内容との調整を重ねました。
最終的に、私がお話しすることになったのは、
「カーペットが室内の空気をよくする」
「ピンク色が人の感情に与える影響」
の2つです。
オンラインでの打ち合わせを2回行い、伝える内容や資料を整理して収録に臨みました。
さて、内容の準備と同じくらい?当日の衣装についても悩みました。
テレビに出るというと「着るものは用意されてるの?」と何人かの方に聞かれましたが、もちろん用意されていません!
テレビ局からは「カジュアル過ぎないものを自由に着てください」とのご指示のみ。
最終的には百貨店に行って、新しい服をを用意しました(笑)。
番組でお話ししたこと
番組本番でお話した内容を、放送に乗らなかった部分や補足も含めて、少し詳しく書いてみます。
カーペットを敷くと、部屋の空気が良くなる?
カーペットには、「ダニの温床になる」「健康に良くない」というイメージが長くありました。
しかし、適切にメンテナンスされたカーペットは、室内のハウスダストを舞い上がりにくくする働きがあります。
日本カーペット工業組合が公的な検査機関に依頼して行った実験では、人が歩いた際のハウスダストの舞い上がり量を、カーペットとフローリングで比較しています。
その結果、カーペット上で舞い上がるハウスダストの量は、フローリングの10分の1から20分の1程度となりました。
これはカーペットの繊維が、床面のほこりやハウスダストを一時的に取り込み、空気中へ拡散しにくくするためです。
一方、フローリングなどの硬い床では、床にたまったほこりが歩行によって舞い上がりやすくなります。
もちろん、カーペットに掃除が必要ないわけではありません。
取り込んだ汚れを除去するため、定期的な掃除機がけは欠かせません。
実は収録では、ブラックマヨネーズの吉田さんから、
「掃除機はどれくらいかけたらいいんですか?」
という質問をいただきました。
この部分は放送ではカットされましたが、カーペットの掃除機掛けは、縦方向と横方向の両方から、ゆっくり3回くらいずつ行うことがポイントです。

カーペットには他にも、保温・断熱や吸音、衝撃吸収などの効果があります。
ピンクの部屋は、イライラを鎮めてくれる?
もう一つは、色彩が感情に与える影響についてです。
ママさんタレントの近藤千尋さんから、
「子どもの部屋をピンクでまとめたけれど、本人が飽きてしまった。どうすればいいですか?」
という質問をいただき、ピンク色の特徴についてお話ししました。
ピンクは、赤に白を混ぜてできる色です。
つまり、赤が持つ「情熱」や「生命力」「エネルギー」に、白の「やわらかさ」や「軽やかさ」が加わります。
薄いピンクは安心や優しさを感じさせ、濃いピンクは元気さや活力を感じさせます。
子ども部屋だけでなく、高齢者施設やクリニック、女性向けのサロンなどにも取り入れやすい色です。
大人の住空間では、クッションやラグ、アートなどにアクセントとして用いることで、洗練された印象に仕上げることができます。
また、子どもの色の好みは成長によって変化します。
ピンクは小学校低学年頃まで高い人気がありますが、8歳から10歳頃になると、水色や薄いパープルなどへ好みが移る傾向があります。
収録中には、EXITの兼近さんから、
「ピンクは優しさの色なのに、僕のピンクの髪を見て怒る人がいるんです。よっぽど嫌われてるんすかね?」
という楽しい問いかけもありました。これには訳があります。
兼近さんの髪色のような鮮やかなピンクは、穏やかさよりも、エネルギーや高揚感を強く感じさせる色です。
そのため、見た人が抱えている怒りや不満のエネルギーが兼近さんの髪色によって、刺激されるのかもしれません。
色が人に与える影響は、鮮やかさや明るさ、使う面積、周囲の配色、そして見る人の心理状態によっても変化するのです。
特にインテリアでは面積と配色でバランスを取れているかどうかで、成否が分かれてきます。

(大人の可愛さや包容力をイメージ。ソフトなピンクを使ったコーディネート事例)
放送を終えて、改めて伝えたいこと
番組では、カーペットと色彩という、視聴者の方にも分かりやすいテーマを取り上げました。
しかし、インテリアが人に与える影響は、一つの色や素材だけで完結するものではありません。
家具をどの位置に置くのか。
家族の視線がどこで交わるのか。
人がどのような動線で部屋を移動するのか。
照明の明るさや色温度をどう変化させるのか。
物をどの場所へ、どのように収納するのか。
こうした空間の条件が重なり、人の感情や行動、生活習慣をつくっていきます。
私は、インテリアには、暮らす人の可能性を引き出し、人生の質を高める力があると考えています。
美しいこと。
機能的であること。
そして、その人の心や身体、価値観に合っていること。
この三つを統合して空間をつくることが、私たちOffice SPIRALの仕事です。
また、今回の放送では、観葉植物や木製の内装材、住宅の断熱性能、家具の配置についてなど、住環境と健康をめぐる多様な知見が紹介されました。
そして前述のように空間デザイン心理学®の創設者、高原美由紀先生と同じ放送回に出演できたことも、大変意義深い経験でした。
住宅は、耐震性、断熱性、構造、設備などの性能やスペックだけで評価されがちです。
もちろん、それらは安全な暮らしの前提ですが、
幸せになれる家を作るならは、過ごす人がどのように感じるのか。どのような行動が誘発され、人間関係にどう影響するのかまで含めて
デザインすることは当然と言えるでしょう。
わたしは建築というハード面だけでなく、人間というものを深く理解したうえで空間を考える視点を、欠いてはいけないと考えています。

番組でも使用していただいた、リフォーム現場の様子
テレビ出演を通して得たもの
今回の経験を通じて、専門性は持っているだけでは十分ではなく、相手に届く言葉へ変換して初めて、価値になることを改めて実感しました。
限られた時間の中で、複雑な背景を整理し、分かりやすく伝える。
さらに、タレントの皆さんは、そこに笑いや意外性を加え、視聴者の興味へと変えていきます。
プロフェッショナルな現場に立たせていただいたことで、伝える技術についても多くの学びがありました。
同時に、これまで自分が考え、学び、実践してきたことを発信し続ける意味も、より明確になりました。
そして、放送中から多くの方にご連絡をいただき、温かい言葉をかけていただきました。
たくさんのお客様や友人が、自分のことのように喜んでくださったことが、何よりうれしかったです。
今回のテレビ出演は、一つの到達点ではなく、これから専門性をより広く届けていくための新たなスタートだと捉えています。
繰り返しになりますが、インテリアには、決して空間を美しくするだけのものではなく、人の心や身体、行動、そして人生の質を確実に変えていく力があります。
これからもOffice SPIRALは、心理学的な視点と長年の実務経験を生かし、暮らす人の本質に寄り添った空間を提案してまいります。
そして、住宅だけでなくオフィスや商業空間、施設にもぜひ、弊社をお役立てください。
空間デザインは、プロの知見を取り入れることで、根拠のある、効果が期待できるものになります。

